C3のフロント・アライメント調整

 C3のアライメントはキャスター、キャンバー、トーがいじれます。その調整方法のごく基本的な部分をショップマニュアルから抄訳してみました。ざっと読んで「ははあ、そういう事ね」と大体の感じをつかんでいただければと思います。

●フロントアライメントの調整に先立つ事前チェック
 ステアリングや振動に関する不具合は必ずしも狂ったアライメントが原因だとは限りません。他にチェックするべき項目として、すり減った(あるいは寸法精度の悪い)タイヤが原因でハンドルの「流れ」が出ていないかどうかを見て下さい。「流れ」とは真直ぐの平坦な道路上を走っていてステアリングホイールから手を離すと車がスーッと横に流れていく現象の事です。このマニュアルのセクション3E「ホイールとタイヤ」の項目にタイヤが問題を抱えているかどうかをチェックする手順が説明してあります。
 キャスター/キャンバー/トーインをいじる前に、アライメントの正確な測定と正確な調整に必要ですので以下の事前チェックを行って下さい。


1.タイヤの空気圧を4本とも適正値にする。トレッド面の磨耗が4本とも同程度か確認
2.フロントハブベアリングのガタをチェック。必要ならハブナットを調整。
3.ボールジョイントにガタがないかどうかを規定の方法にてチェック。タイロッドエンドとリレーロッドのガタをチェック。もし過大なガタがあったらアライメント調整作業をする前にまずそちらを直すこと。
4.ホイールとタイヤの「ブレ」をチェック
5.空車時車高をチェック。もし車高が規定範囲外ならアライメント調整の前にそちらから直すこと
6.ステアリングギアボックスとフレームとの取り付けをチェック
7.ショックアブソーバーがきちんと動いているかチェック
8.フロントコントロールアーム(Aアーム)の根元取付部が弛んでないかチェック
9.スタビ(スウェイバー)の取り付け部品がちゃんとついているかチェック
10.工具箱など車内の積載物について要考慮。もしこれらの積載物がいつも載せっぱなしのものならばアライメントチェックの時も載せたままにしておくこと
11.アライメント測定用の器具類の状態も要考慮。メーカーの説明書に従うこと
12.どんな測定器具を使用するにせよ測定場所は水平面であること




●フロントアライメントの必要条件
 フロントアライメントのセッティングというものは結構広範囲にわたっていても車はそこそこまともに動くものです。とは言えそのセッティングが許容範囲外であることには違いなく、アライメント再調整はするべきでしょう。その場合、オーナー、ディーラー、その他作業者はこのマニュアルの別表の縦列(1)に表記してある諸元表を必ずガイドラインとして使用して下さい。この諸元に従うことによって殆ど全ての条件において使用可能なハンドリングになると同時にホイールアライメント不良に起因するタイヤの異常磨耗を防ぐことが出来ます。
 法定定期点検(Governmental Periodic Motor Vehicle Inspection)プログラムでは通常ホイールアライメントも点検項目に含まれています。この時の点検整備情報としては別表の縦列(2)があります。これらも充分安全運行可能な数値です。
 実測したアライメントの各数値が別表の(1)にも(2)にも当てはまらないという事態の時はアライメントのリセッティングが必要です。別表の縦列(3)に表記してある数値に合わせて下さい。他の何らかの理由でアライメントをいじらなければならない時も(3)のセッティングにします。


●アライメント調整
 キャスターとキャンバーをいじる時は必ず以下の作業を行って下さい。
1.邪魔なエアインテーク・ダクトを外す
2.エアコンのコンプレッサーをゆるめてベルトを外す
3.エアコンのアッパーステーのボルトを外す
4.エアコンのロアーステーへの取り付けボルトをゆるめてフロントAアーム取り付けボルトにレンチを突っ込みやすいようにシールド板その他を動かす
(訳者註:こんなん当ったりめーだってーの!訳しとってバカらしくなってくるわ!)


・キャスターとキャンバー


 キャスター角とキャンバー角をいじる前にフロントバンパー回りをグッと持ち上げて離して戻す、ということを2回ほど行って下さい。これは車高を普段のいちばんノーマルな高さに落ち着かせるためです。諸元表の「1G整備車高」の表を参照して下さい。
 キャスター角とキャンバー角の調整は図の様にアッパーアームのコントロールアームシャフト(クロスシャフト、ピボットシャフト等とも言う)とフレームブラケット(サスメンバー)の間に挟まって共締めされているシムの枚数を調整する事によって行います。これらのシムを必要に応じて足したり、抜いたり、交換したりします。

1.キャスター:シムをフロントからリアへ、またはリアからフロントへと移動させる。
 ※1枚のシムをリアボルトからフロントボルトに移動させるとポジティブキャスターは減少するはずです。

2.キャンバー:フロント、リア両方のシムを交換します。
 ※同枚数のシムをフロント、リアの両方に足すとポジティブキャンバーは減少します。

 ※キャスターとキャンバーは1回の作業で両方調整出来ます。トーインは必ずキャンバーとキャスターの調整が終ってから調整するようにして下さい。



 キャスターとキャンバーを調整するにはまず、アッパーコントロールアーム(Aアーム)をフレームに取り付けている根元の2本のボルトを緩めます。測定結果から必要と思われるシムを足したり引いたりして後、取り付けボルトを再度締め込みます。

 キャスター、キャンバー、トーインの数値はアライメント諸元表を参考にして下さい。

 アライメント調整後、シムをはさみこんで取り付けボルトを規定トルク締めこんだ状態では、取り付けボルトのネジ山が少なくとも2山はナットから外にはみ出しているのがノーマルです。また、その2本の取付けボルトに挟み込まれたシムセットの調整後の厚味の差はアーム前側と後側とで0.40インチ(10.1ミリ)を越えていてはいけません。もし規定アライメントを出すのにこの条件が満たせないのならコントロールアームやその他関連サスペンションパーツにダメージがないかどうかチェックして下さい。
 取り付けボルトは2本のうち、「シムセットの厚味が薄い方」から締め付けるようにして下さい。
フレームへのクロスシャフト締め付け力を適正にするために必要な作業です。

・トーイン
 トーイン(フロントホイールが正面から見て内側を向いていること)はステアリングホイールをセンターの位置にしてタイヤが真直ぐ前を向いた状態で計測します。トーインとはつまりフロントタイヤの前側と後側の差のことです。正確なトーインの値についてはアライメント諸元表を参考にして下さい。トーインは必ずキャスターとキャンバーの調整が終ってから最後に調整して下さい。
 (以下略)


※訳者註:トーインの調整はタイロッドエンドを緩めて、スリーブを回転させて行う普通の方法です。ノーマルスリーブの場合、アメリカの「Lisle」というブランドの「タイロッドツール」というやつが便利かも知れません。口では説明しにくい格好してますが昔のオイル缶に穴をあけるツールの様な?頭が背中合わせに二つ、ツールの両端で計四つあってどうやらそのタイロッドのC部分にひっかける先端および穴径が微妙に違っていて「まあ一本持ってりゃどれかは合うじゃろ」というツールの様です。

一応タイロッドエンドのロックボルトの締め方には決まりがあるようなのですが、自分でやった感じではマニュアル通りの場所にはなかなかいかない感じでした。

尚、Vette Brakesにはアフターマーケットパーツとしてヘビーデューティーのタイロッドがあります。これはスリットのない強靱なタイロッドでロックナットもロッドと同軸上にあって直接タイロッドエンドをロックするタイプですのでこちらの方がうんと丈夫かつ調整が楽だと思います。




フロントアライメント諸元表


シチュエーション (1)有料整備や保証整備の時に使う値 (2)定期点検の時に見る価 (3)アライメントをやり直す時の値
キャスター +1-1/4°から+3-1/4° +1/4°から+4-1/4° +2-1/4°±1/2°
キャンバー 0°から+1-1/2° -3/4°から+2-1/4° +3/4°±1/2°
トーイン
(トータル)
+1/8インチから+3/8インチ
(+3.2mm to +9.5mm)
-1/8インチから+5/8インチ
(-3.2mm to +16mm)
+1/4インチ±1/16インチ
(+6.35mm±1.6mm)
トーイン
(ホイール当たり)
+0.12°から+0.36° -0.12°から+0.60° +0.25°±0.06°
クロスキャスター 両側の車輪で1°以内 記載なし 両側の車輪で1/2°以内
クロスキャンバー 両側の車輪で1°以内 記載なし 両側の車輪で1/2°以内



●アライメント調整に関連する締付けトルク
クロスシャフト取付けボルト 50ft.lbs. 70Nm 7.1Kg/m
タイロッドクランプボルト 11ft.lbs. 15Nm 1.5Kg/m