C3オーナーの集まりなどで「ブレーキではひどい目にあった」とは時々耳にする会話でこれは珍しくも何ともありません。しかしながらC3のブレーキは本来、正しく組付けられていて各部品が正常に動いている限りにおいては通常の使用で特に容量不足という事もなく、なかなかに強力なブレーキなのです。
それを裏付ける資料としては当時の"Car and Driver"などの自動車雑誌のテスト記事があります。私は1968年のデビュー以来1982年の最終型に至るまでの様々なC3のテスト記事に目を通しましたがそれらを読んでおりますとブレーキフィーリング、コントローラビリティなどにおいてC3は度々"Excellent"という評価がされております。少なくともブレーキの効き具合や構造自体を問題にした記事はありませんでした。また、ポルシェやフェラーリ、ベンツなどとの合同テストにおいてもフィーリング、制動距離ともにいい勝負をしており、正常な感覚で判断して特別にC3のブレーキを劣弱であるとするに足る根拠は見つかりません。
では私も含めて何故多くのC3オーナーがブレーキでひどい目にあったかというと、それは言うまでもなく「経年変化による部品の劣化がそのブレーキを危険なものにした」からであります。ですから「C3のブレーキは弱い」というのは「ブレーキ系を構成する各部品の経年変化による劣化が激しい」と言い換える事も出来るでしょう。
C3のブレーキトラブルは何がなんだか判らない、とよく言われます。なぜこんなに頻繁にエア抜きをしなければならないのか?なぜペダルがこんなにスポンジーなのか?私も最初はキツネにつままれた様な気になりましたがあれこれ部品を交換したり色々と調べたりするうちに或る程度事態が飲み込めてきました。どうやら各部品の劣化が複雑に?作用し合って一見「何が何だか判らない事態」になっている様なのです。以下、私なりに「何が何だか判らないブレーキトラブル」の因数分解を試みてみましたのでお読み下さい。
1-3.1 なぜ君はそんなにエアばかり噛んでいるのか?
Do you know how air gets into the brake caliper?
1-3.2 なぜ君はすぐ漏れるのか?
Why do the calipers leak?
1-3.3 なぜ君はそんなにスポンジーなのか?
The mystery of a soft pedal
1-3.4 エア抜きをする事によってなぜ事態はいっそう悪くなるのか?
How to bleed the brake system
ふろく1:ブレーキ諸元一覧
ふろく2:ブレーキトラブルのダイアグノーシス